昔と比べて、最近はネットワークビジネスの話を一度は聞いたことがある方も増えてきているのではないでしょうか。
話を聞いてみると、製品が良かったり報酬プランが稼げそうだったり、とても魅力的に感じてしまいますよね。
とはいえ、本当に稼げるのか、そもそも報酬プランの種類や仕組みってどうなっているの?と疑問に思う方もいると思います。
この記事を書いている私も、かつてよく報酬プランを理解せず失敗しましたし、そのときは調べることもしなかったので、迷われている方の少しでも参考になればと思います。
報酬プランの種類って?
まず、報酬プランの種類を話す前に、ネットワークビジネス(MM)でどうやって報酬が発生するのかからお話ししていきます。
ネットワークビジネスでは、製品やサービスを購入することで会員になり、さらに会員が誰かを誘って会員にし、その会員がまた誰かを誘って会員にして…という流れを繰り返して、流通網を広げていくという点はどのネットワークビジネス(MLM)の会社(企業)でも共通です。
この流通網を作る活動(組織を作ると言ったりします)をすることで収入(MLMの世界では報酬と言います)を得られるようになります。
流通網作りには、ビジネスはせず製品が好きで購入する「愛用者」と報酬を目的としてビジネスとして活動するやり方とで少し分かれます。
このビジネスをするやり方が連鎖販売取引(個人を販売員として勧誘し、さらにその個人に次の販売員の勧誘をさせるという形で販売組織を連鎖的に拡大して行う商品・サービス(役務)の取引のこと)とも言われています。
また、組織の流通網の作り方がネットワークビジネス(MLM)の会社(企業)ごとに異なってきます。
もちろん、報酬もその組織の作り方に応じて異なってきます。
そのため、会社(企業)ごとに設けられた報酬の発生のシステム(報酬プラン)を理解することが重要になってきます。
ネットワークビジネス(MLM)業界で主要な報酬プランは、通称「バイナリー」「ユニレベル」「ブレイクアウェイ」といわれている3種類になります。
さらにそれぞれを組み合わせたり、応用したものを別の名前で出しているものもありますが、今回は主要なところを中心に整理していきます。
ステアステップ
まずは、「ブレイクアウェイ」を説明する前にシステムの前提として「ステアステップ」をご紹介します。
ステアステップは「階段」を意味する単語であり、文字通り「階段」のようにタイトルが上がったり下がったりすると、ダウンラインやアップラインとのタイトルの差で分配率が決まる特徴があります。
それゆえに、ステアステップは「多段階方式」や「代理店方式」とも言われています。
タイトルの差額のボーナス率で報酬が決定する
基本は低価格で仕入れた製品を定価で販売していくという仕組みになっていて、一般の代理店のような仕組みのように感じます。
ただし、ステアステップの場合、組織で発生する利益は会員の売上の成績(タイトル)に応じて皆で分配していく方法を取ります。
例えば、10,000円の製品を販売した場合で考えてみます。
その場合、組織全体で
10,000円 × 30% =3,000円
の利益が出るため、それを分配していきます。
【例:Eさんが販売した場合】
Eさん:10,000円 × 10% = 1,000円の報酬
Bさん:10,000円 × (15%-10%)5% = 500円の報酬
Aさん:10,000円 × (30%-15%)15% = 1,500円の報酬
【例:Dさんが販売した場合】
Dさん:10,000円 × 15% = 1,500円の報酬
Bさん:Dさんと同タイトルのため差がない → 報酬なし
Aさん:10,000円 × (30%-15%) =1,500円の報酬
ダウンさんと同タイトルの場合、報酬を得ることができなくなります。
【例:Fさんが販売した場合】
Fさん:10,000円 × 30% = 3,000円の報酬
Cさん:Fさんよりタイトルが低い → 報酬なし
Aさん:Fさんと同タイトルのため差がない → 報酬なし
Fさんのタイトルが高いためアップさんは報酬を得ることができなくなります。
通常、ネットワークビジネス(MLM)では、組織(流通)が拡大するにつれて報酬も大きくなっていくものです。
しかし、ステアステップは組織の中に自分と同等以上のタイトルを持っている人が表れるとそこから先で発生する利益に対しての報酬は得られなくなってしまいます。
頑張って組織を拡大してダウンさんも育成したのに報酬がもらえない…モチベーションだだ下がりですね。
そのため、ステアステップはブレイクアウェイなどほかの報酬プランと組み合わせていることが一般的です。
現在、ステアステップ単体での報酬プランを採用しているネットワークビジネス(MLM)の会社(企業)はほとんどありません。
- ステアステップは組織で利益を分配する仕組み
- 自分と同タイトル以上のタイトル保持者のダウンラインからの売上は0になる
- 現在はステアステップ単体での報酬プランを採用している会社(企業)はほぼない
ブレイクアウェイ
ブレイクと聞くと英語の苦手は私は「え?壊れるの?」と謎のイメージを持っていましたが、ブレイクアウェイとは、英語で離脱や分離といった意味だそうです。
ブレイクアウェイは、ダウンラインの中に自分と同タイトルが出るまではステアステップと同じ仕組みになっています。
そのため、ダウンラインに同タイトルが出たところから説明していきます。
ダウンがブレイクアウェイ(分離・独立)する
ダウンが自分と同じタイトルに成長するとそのタイミングでそのダウンのグループは独立します。
例えば、下の図のような場合、自分とBさんが同タイトルになるとBさんのダウンラインは独立したグループとして自分のダウンラインから切り離されます。
そうなった場合、Bさん以降のダウンラインは自分のダウンラインではなくなるため、そこからの報酬ももらえなくなります。
このままではステアステップとあまり変わりがないため、ブレイクアウェイの報酬プランには育成ボーナスが発生します。
つまり、ダウンラインの中からブレイクアウェイ(分離・独立)させることでダウンラインを育成したボーナスがネットワークビジネス(MLM)会社(企業)から支払われるようになります。
このリーダークラスを育成したボーナスには、
- オーバーライド方式
レベル1の独立グループの売り上げの〇〇%、レベル2の独立グループの売り上げの〇〇%と分けられている - バスアップ方式
独立したダウンの売り上げから一律〇〇%
の2種類があります。
これは会社によって違いますので、ボーナスの率がどれくらいなのかはチェックしたいところですね。
ブレイクアウェイを採用している会社(企業)
- 日本アムウェイ
- ニュースキンジャパン
- フォーエバーリビングプロダクツジャパン
- 日本シャクリー
- アフロゾーンジャパン
などです。
多くの大手企業が採用していますね。
メリット・デメリット
ブレイクアウェイにもメリットとデメリットがあるので、それぞれまとめてみます。
メリット
- 高い報酬が期待できる
- ダウンラインの育成のやりがいがある
- 長く続いているネットワークビジネス(MLM)の会社(企業)で採用しているところが多い
ブレイクアウェイはリーダークラスを多く育成すると報酬も跳ね上がることから、たくさん稼ぐという点においては報酬プランの中でも随一の仕組みです。
うまく育てることができればと育成のやりがいも出ますし、報酬の跳ね上がり方に夢も膨らむ気がします。
ですが、メリットだけでなくもちろんデメリットもあります。
デメリット
- ダウンラインがブレイクアウェイ(分離・独立)すると一時的に報酬が下がる
- 基準のタイトル達成や維持の条件が厳しいことが多い
- 報酬を得るまでに時間がかかる
ブレイクアウェイ(分離・独立)するとそれ以降のダウンラインからの報酬が0になるため、一時的とはいえ報酬が下がるのは悲しいところです。
また、基準となるタイトル達成の条件が厳しい会社(企業)が多く、達成前に断念してしまうこともあります。
さらに達成できたとしてもそこから維持していくために、自身が商品の過剰な買い込みをしたり、ダウンラインを増やそうと強引な勧誘をしたりしてしまうことでトラブルになるケースもあるようです。
- ブレイクアウェイのベースはステアステップの仕組み
- ブレイクアウェイはダウンラインを育成して独立させることで高収入を得られる
- 基準タイトル達成や維持の条件が厳しいことが多く、報酬を得るまでに時間がかかりやすい
ユニレベル
ユニレベルの「ユニ」とは英語で「単」や「1」という意味で、単一や第一の意味を持ちます。
他の報酬プランと比べても非常にシンプルでわかりやすい仕組みとなっているため、ユニレベルはネットワークビジネス(MLM)の報酬プランのなかでも最も基本的なプランであり、初心者に向いている仕組みと言われています。
その仕組みを説明していきます。
横に組織を拡げられる
ユニレベルは、自分を頂点としてその下にピラミッド型に組織を構築していき、この点は他の報酬プランと同じです。
自分が直接紹介した人を第1レベル(1段目・第一世代・フロントラインなどとも言ったりします)に配置していきます。
紹介された人が、また同じように直接紹介した人を第1レベルに配置していきます。
この場合、直接紹介者からの紹介者は自分から第2レベルになります。
このように、第1レベルの人が紹介した人を第2レベル、第2レベルの人が紹介した人を第3レベル、というように組織を拡大していきます。
他のプランと違うのは、この第1レベルに何人も配置することができる点です。
そのため横に拡げれば拡げるほど、さらには縦に深くなればなるほど組織が大きくなります。
横(新規登録者の獲得)、縦(ダウンの教育)、どちらにも注力することがユニレベルのポイントとなりそうです。
上記の例だと、Hさんは
あなたから見て → 第3レベル
Aさんから見て → 第2レベル
Dさんから見て → 第1レベル
ということになります。
報酬は、第1レベルの売上の○%、第2レベルの売上の○%……というように各レベルで売上に対する還元率が定められていて、還元率に基づき支払われます。
この還元率は会社(企業)によって異なってくるので、どれくらいリターンがあるのかをチェックすることも大切ですね。
ユニレベルを採用している会社(企業)
-
ライフバンテージジャパン
- マナテックジャパン
- フォーデイズ
- モリンダジャパン
- ドテラジャパン
などです。
ユニレベルを採用している会社(企業)は、製品やサービスのリピーターの定着を特に重視している傾向にあるようです。
メリット・デメリット
メリットとデメリットについてもみていきましょう。
メリット
- シンプルでわかりやすい仕組み
- 組織が小さいうちでも報酬が発生しやすい
- ポジションに大きく左右されない
ユニレベルは、常に組織の末端が活動の最前線になるため、人が育ちやすく組織が拡大しやすくなります。
また、他のプランと違い、組織の枝がどのように伸びても報酬の面で無駄が少なく報酬につながりやすいところは、続けていくうえで成功体験をたくさん経験できるため大きなメリットになります。
デメリット
- 段数制限がある
- 他のプランと比べて報酬額が低め(一気に上がらない)
縦にも横にも組織を拡大出来ますが、縦のラインには段数制限が設けられている会社(企業)がほとんどです。
そのため、段数制限以降のラインで新規登録してくれたとしても、報酬に繋がらないデメリットがあります。
この解消方法として、タイトルがアップしていくと段数制限が緩和される(報酬に含まれる段数が増える)ことがあります。
また、バイナリーなどほかの報酬プランに比べて、リスクが低いものの一気に報酬が跳ね上がるということもあまりありません。
安定志向の方には向いたプランかもしれません。
- 報酬プランがわかりやすく初心者向けのプラン
- 横にも縦にも組織を伸ばすことができる
- 堅実な組織構築で安定収入を得られる
バイナリー
バイナリーは、本来「二つの要素からなるもの」「二進数」という意味があります。
言葉通り、一人から直接紹介者を最大2人までしかできず、2本のラインをどんどん下に下にピラミッドのように伸ばしていく組織の広げ方をします。
そのため、直接紹介者が3人以上になった場合、2人のフロントラインの下につけていくようになります。
ネットワークビジネス(MLM)業界では比較的新しい報酬プランで、バイナリーをメインに展開している会社(企業)が増えています。
理由は、初心者でも初期の段階で報酬を得ることがしやすくシンプルにわかりやすく説明ができることなどのようです。
初心者でも得やすいとはどういうことなのか、説明していきます。
左右のレッグ(組織)の大きさが報酬に大きく影響
バイナリーの報酬プランは、必ず左右の組織の中で左右の比率が「1:1」になるところまで報酬が発生します。
つまり、小さい組織の大きさに合わせて報酬が支払われます。
(例)左の組織の報酬が4万、右の組織の報酬が10万あった場合
この場合、ダウン全員の分の報酬をもらうことはできません。
この場合、左右が揃う4万までが報酬の対象になり、残ってしまった右組織の6万は翌月に繰り越しとなります。
そのため、必ず左右どちらかの組織が大きくなり、歩留まりが発生するのが一般的です。
ただ、この繰り越しにも条件がありたいていの会社(企業)が毎月製品を購入する(定期購入)などを条件にしています。
条件を満たさない場合、せっかく繰り越せたはずの分は消滅してしまうこともあるので、条件もしっかり確認しておく必要がありそうですね。
また、左右の配置で報酬が左右されるため、ポジショニングも重要になってきます。
バイナリーを採用する会社(企業)の報酬システムでは、「オートポジショニング」と「任意ポジショニング」の2種類があります。
オートポジショニングは、会社(企業)側が規則にもとづいて自動的に配置されるもので、基本的にはきれいにうまるような配置になります。
任意ポジショニングは、直接紹介した人が配置を決められるため、戦略的に組織を拡大していくことができます。
バイナリーを採用している会社(企業)
などです。
メリット・デメリット
バイナリーにもメリット・デメリットがあるので、まとめてみます。
メリット
- 早期に報酬を得やすい
- シンプルな仕組みで説明しやすい
- アップさんの直接紹介者が自分のダウンにつくことがある
左右に分かれた組織のため、2人以上紹介すると左右の比率が揃い報酬が発生します。
そのため、比較的早い段階で報酬を得ることができるのは嬉しいところですよね。
また、アップさんが3人目以降の直接紹介者をダウンさんの下にどんどんつけていくため、直接紹介者でなくとも自分の報酬の対象になっていることもあります。
デメリット
- 組織をバランスよく伸ばしてくことが難しい
- 活発な活動をしない人も多くなりがち
報酬は基本小さい組織に合わせるため、どうしても報酬対象にならないところがでてきてしまいます。
また、勧誘の仕方によっては、アップさんがダウンさんを付けてくれる(スピルオーバー)と思って受け身な人も出やすいため停滞した組織になりやすいところもあります。
初心者向けと言いつつ、戦略的にポジショニングをしていくなど組織作りが重要になりそうですね。
- 左右2系列で組織を構築していく
- 比較的スピーディーに報酬を得やすい
- 左右の比率で報酬が決まるため、組織の人数の割に稼げないこともある
ハイブリット
ハイブリットとは「異なる要素を組み合わせたもの」という意味になります。
そのため、ネットワークビジネス(MLM)の報酬プランでも、2つ以上の異なる報酬プラン同士を組み合わせたプランということになります。
それぞれのプランにはメリット・デメリットがあるため、少しでもデメリットをなくして、よりメリットを際立たせるために取り入れている会社(企業)も多いです。
以前は「ユニレベル+ブレイクアウェイ」の組み合わせのハイブリットが多かったのですが、近年は「バイナリー+ユニレベル」が非常に多くなってきています。
ユニレベルは、堅実な組織構築で安定収入を得られるメリットの反面、報酬を得るまでに時間がかかるデメリットもあったので、スピーディーに報酬を得やすいバイナリーと組み合わせることで良いとこ取りをしているようです。
ただし、2つ以上のプランを組み合わせるため、プランの仕組みや説明が複雑で難しくなってしまうことが難点です。
- 2つ以上の報酬プランを組み合わせたプラン
- 近年は「バイナリー+ユニレベル」が多い
- プランの仕組みが複雑なため、説明が難しい
ここまで、主要な報酬プランについて説明してきました。
たしかに稼ぎやすい報酬プランも大切ですが、結局のところネットワークビジネス(MLM)をしていく以上、常に話をできる人探しの新規開拓になります。
そして、それをし続けていかなければいけません。
報酬プランを頭に入れてどうやって報酬を上げていくのか、どのくらい活動していくのか、一人のビジネスオーナーとして考えていくことが重要なのかもしれないですね。